大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和56(あ)1552 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人上田孝造、同山岸赳夫の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不

当の主張であつて、すべて刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

なお、職権により記録を調査しても、同法四一一条を適用すべきものとは認めら

れない(被告人は、Aと共謀し、同人が実権を握る会社の代表役員に三億円の経営

者大型保険を掛けた上これを殺害して保険金を騙し取ろうと企て、その役員に怪し

まれないようAほか一名の役員にも保険を掛けた後、輩下の暴力団組員とも共謀し、

昭和五一年七月から八月にかけ三回にわたり、右代表役員を川やダムで溺死させる

べく機会を窺つて殺人の予備をしたが、同人が危険を察知して身を隠したため目的

を遂げることができず、次いで、Aのほか自分の親分に当たる暴力団連合会会長ら

と共謀し、前記の保険を掛けた他の役員を自動車で轢き殺して保険金を騙し取ろう

と企て、同年九月、暴力団組員らを使い、自ら先導する右役員運転の自動車に組員

運転の自動車を接触させて右役員を車外に誘い出させた上、別の組員運転の自動車

で右役員を轢き殺させようとしたが、重傷を負わせたにとどまり殺害の目的を遂げ

ることができず、更に、Aのほか兄弟分の暴力団幹部らど共謀し、新たに前同様の

保険を掛けた別の役員を殺害して保険金を騙し取ろうと企て、昭和五二年一月、自

ら同人を誘い出して共犯者の暴力団幹部らに引き渡し、自動車内でロープで同人を

絞殺させて死体を遺棄させ、翌二月から三月にかけ、Aと共謀し、その役員が他人

に殺害されたもののように装つて保険会社に保険金の支払を請求したが、不審を抱

かれたため詐欺の目的を遂げなかつたものである。このように本件犯行が極めて執

拗で悪質非道な事犯であること、被告人が終始主謀者の一人として本件犯行を推し

進めてきたこと、その他被告人の前科、遺族の被害感情等を考慮すると、原判決が

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維持した第一審判決の死刑の科刑は、当裁判所もこれを是認せざるをえない。)。

よつて、刑訴法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のと

おり判決する。

検察官日野正晴 公判出席

平成元年三月二八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 安 岡 滿 彦

裁判官 伊 藤 正 己

裁判官 坂 上 壽 夫

裁判官 貞 家 克 己

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